今回はちょっと、農家の方に向けた話を。
近所の郷土資料館で、私の地元である東京都稲城市の農家が残した「農事日記」のことを紹介していました。
これは何かというと、昔の農家が農作業のなかで起こる日々の出来事を日記として残したもので、明治のはじめから大正にかけて、戦後の農業改革前に存在した地元の大地主が、親子二代に渡ってつけたものだそうです。
特に二代目の方の記録は名称も「農事日記」となっており、表紙をみると著者として「鈴木狂農」というペンネーム風の名前まであります。
その内容は、日記フォーマットを試行錯誤する様子や、日々の農事開業のこと、雇い人のこと、収穫量、売上高などの経営情報も載っているとか。
今農業をしている人は、自分がつくっている作物の原価も分からない方が多いと聞いています。
しかしその原点には、きちんと記録も残しながら農業経営を行っていた人が存在したのだと知り、私は感激しました。
私はアグリキュレーターとして、農業に経営管理の考え方を入れて儲かる農業が出来る仕組みを提案したいと思っています。
そのベースとなるのは、日本の適正農業規範(GAP:Good Agricultual Practice)に則って、食の安全、環境保全、労働安全衛生を担保するような仕組みづくりです。
ここでも、記録の作成や保管が必須となってきます。
余計な作業が増えると感じる農家の方もいるかも知れませんが、かつての農家の方々は農業のノウハウの伝承ということも含めて、記録を残すことをすでに行っていたのです。
「農事日記」の現代版として、GAP経営を推進して行きたいと思っています。
RSS feed for comments on this post. / TrackBack URI