「働く鍬」を見たことがありますか?
相田合同工場さんという、最近大きな注目を集めている農具のメーカーさんがあります。KUWAマイスターとして知られるこのメーカーの農具を一見すると皆驚きます。農具というよりアート!日用品の美しさとシンプルさを極めた柳宗理のキッチンツールを彷彿とさせます。この農具を手に取りたいがために、農業を始めてみたいという若者も出てくるかも?
相田合同工場さんの農具の素晴らしいところは、働く農具として今も進化を続けている点です。農業の機械化が当たり前の現代において、伝統の技を守りながら原点回帰するような”新しい農の形”を提案しているのです。
社長の相田聡さんとお話したところ、こういう農具の製作やメンテナンスは昔から「村の鍛冶屋」さんの仕事で、彼らは日本初のカスタマイズ&レンタル業者であったそうです。土壌、手に入る素材、使う人の体格にあわせて農具を改良し、農閑期には農具のメンテナンスを行う。レンタルも行う。そうやって形を少しずつ変えていくことで、変わらない農の形を守ることができたと。
相田合同工場さんは、農具を極めることで「現代の村の鍛冶屋」を追求しているのですが、アグリキュレーターという私の職もまた、新たな形の「村の鍛冶屋」だなと思いました。経営や技術の知識をもちいて、農作物が作り手から消費者へ届くまでの新たな物語をひとつひとつ掘り起こしていく。そんな私の理念を表すため、この美しい鍬をひとつ持ち歩いてみるかな、とも考えています。いい考えだと思いませんか?(笑)
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