皆さん、日本一のそろばん生産地がどこかご存知ですか?
兵庫県小野市というところだそうです。
兵庫といえば瀬戸内海に面しているわけですが、
そこにはオリーブの生産で有名な小豆島があります。
その小豆島オリーブ公園と播州算盤工芸品協同組合のコラボレーションで
オリーブの木を使った美しいそろばんができたそうです。
同組合が、オリーブの剪定で出た枝を貰って
2年がかりで作った逸品で、使い心地は一般の算盤玉であるカエデやツゲにも勝るという話です。
当ブログの「型にはまらない野菜の話」では、
規格外だからと流通にのらない野菜(規格外野菜)が見直されているという話をご紹介しましたが、
今回は規格外どころか、廃材を見事な商品に蘇らせたという話で、
同じ瀬戸内の素材を使って新しいものを作るという点から見れば、「地産地消」の好例でもあります。
こういった素晴らしい商品は是非世の中の多くの人に手にとってもらいたい。
でも、ただいいものを作っただけでは、簡単には消費者の手までは届かないもの。
こういう現実を踏まえ、商品の「外側」、パッケージや宣伝を作りこんでより魅力的に見せることが、
商品そのものと同じくらい重要です。
地域の小さな組織で地元の素材を使って新たな商品を作るときにも、
忘れてはならない要素だと思います。
こんなステキなパッケージがあります。
ruiz + companyというところがデザインを担当した、
「CHOCOLAT FACTORY」のパッケージなのですが、
チョコレートがカロリーを表す棒グラフになっているのです!
コピーには「THE MOST HONEST CHOCOLATE TABLET」。
(チョコを食べる時にカロリーを突きつけられるのは、個人的には興ざめでありますが…)
それはさておき、このチョコレートパッケージは他にも
遊び心とデザインが見事に融和しており、
大変センスのよい、垢抜けた感じになっています。
興味のある方は、文末のリンクから紹介ページを見てみてください。
これなら都会のしゃれたカフェや雑貨屋にも流通しそうです。
もしあのオリーブ玉のそろばんが、こんなステキなパッケージに包まれていたら…?
一気に都会の若い世代にもそろばんが再認識されて、
「代官山発・そろばんブーム」なんてことも起こるかも??
商品が消費者と最初に触れ合うのは「デザイン」です。
私の職である「アグリキュレーター」は、
「日本の農業を新しい技術とノウハウを使ってデザインし直す」というもの。
このデザインのなかには、商品パッケージのデザインも含まれています。
既存の農産物を見渡して、新たな商品を見出すとき、
その商品が持つ良さを120%引き出すような、
優れたデザインパッケージとの縁つなぎも、どんどん行っていこうと思っています。
– そろばんとオリーブの日本一、コラボしたら…【YOMIURI ONLINE】
– ストレートなチョコレート・パッケージ【ビジュアルシンキング】
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