「研究や地域との連携から生まれた美味しさを、お食事処でご賞味ください。」
「日本を元気に!食の未来を明るく!大学が取り組んだ、美味しい成果が到着!」
こんな魅力的なコピーが並ぶ一枚のチラシ…
これは新宿高島屋11階の特設会場で行われた、「第五回・『大学は美味しい!!』フェア」のものです。
そう、産学連携の大学ブランド食品の展覧即売会なのです!
全国から34の大学が集まって、開発した食品を実際に食べることができる、というもので、
メニューはお菓子からお醤油まで多岐に渡ります。
このブログでも大学ブランド食品は何度か紹介してきましたが、
催しが5回目というところが肝です。
産学連携ブームは着実に数を増やしながら、いよいよ陽の目を見てきたのですね。
これは一時的なブームではなく、いずれ食品業界の一翼を担うようになる
大きな流れへと成長するかもしれません。
オーガニックフードがひとつのブランドとして確立したように、
産学連携フードの専門レストランに多くの人が集まる日も遠くはない??
私がお話できたブースの先生や学生さん達から興味深い話を聞けました。
弘前大学からはリンゴジュースが出品されているのですが、実は同大学では
リンゴビールの開発も行っていて、これは実にジュースの2倍のポリフェノールを含んでいると!
面白いのは、従来通り農薬を多く使って育てられたりんごには、ポリフェノールがあまり含まれず、一方農薬なしであっても完熟したリンゴはやはりポリフェノール量が減るらしい、という話。
なので、学内の農園で「無農薬」かつ「未完熟」で育てたリンゴを使っているところがミソだそうです。
完熟指向の市場に逆行する形になっても、機能性を追求して商品作りをするあたりが、大学ブランドの魅力ですね。
私の地元稲城には、ちょっとした傷で売れない梨が山のように廃棄されているのですが、
これを使ってビールが作れないかな?と思った瞬間でもありました。
(フルーツビールがブームなのだとか!)
さて、そんな大学フード達ですが、
フェアで紹介されていたメニューの一部をご紹介します。
●早稲田大学「わっぱ温野菜」
素材の組織を壊さず栄養素を残せる「ソフトスチーム加工技術」を使ったメニュー。
(スチーム加工で処理した野菜、特にニンジンジュースは格別の旨さだと早稲田の先生にお話を聞きました。「美味しすぎる規格外野菜」プロジェクトで、この加工のジュース是非扱ってみたい!)
●水産大学校「完熟トラフグセット」
深海1万メートルの圧力で殺菌したトラフグを低温で3週間熟成。
(魚に高圧をかけることで細胞の一部を破壊し、酵素によるアミノ酸の生成を促進することで”熟成”させるのだとか)
つまりこれは私が食べたかったメニューです(笑)。
フェアの最終日の終わりがけにいったので、大学の方との会話も含め、
あまり堪能できなかったことが、何よりの心残り…
私が研究について色々質問をしたとき、若い方々が目を輝かせて話を聞かせてくれる姿も忘れられません。
来年は、食べるほうもリサーチのほうもがっつり楽しむつもりです!
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