今回は、嘘のような本当かもしれない話を。
「恐怖の中で死んだバッタ、土壌に悪影響を及ぼす」という研究論文が、
6月15日発行の「サイエンス」で発表されたというニュースです。
蜘蛛に食べられるかもしれないという恐怖にさらされて死んだバッタと、
安らかに死んだバッタの死骸の成分を分析したところ、
恐怖にさらされたバッタ体内の窒素に対する炭素の割合が
安らかに死んだバッタのそれよりも4%増加していたそうです。
そしてこのわずかな差が土壌に悪影響を及ぼし、
落ち葉などの分解を大幅に遅らせることが分かったというのです。
干ばつや酷暑によるストレスでもバッタの死骸に同じような変化を与える効果があり、
土壌が変化して農作物の収穫量に影響を与える可能性があるとのこと。
…にわかには信じがたい話です。
バッタが恐怖という「感情」を持っている可能性について、一度も考えたことがありませんでした!
ともあれ、これから気候変動によりバッタがストレスを受ける場面が増えるとすると、
土壌に与える影響もさらに大きくなり、
増加する人口を支えるため今よりたくさんの食料が必要なところに
農作物は減少する一方、という嫌なシナリオも考えうるわけで、
となると化学肥料が独占状態の農の現状を一層助長することになるかもしれません。
肥料会社は喜んでバッタをストレス状態に置きたがるかもしれませんね。
(余談ですが、バッタに恐怖を与える実験では、蜘蛛の口を糊でふさいで
実際にバッタを食べることはできなくした上で、バッタと同じ籠に入れて恐怖を与えたそうです。
口をふさがれた蜘蛛は、恐怖で体内成分に変化が起こったかどうか、ちょっと気になります。
あと、バッタの「安らかな死」というのがどういうものかも知りたい!)
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