2012年9月1日より、東京では渋谷アップリンクにて「モンサントの不自然な食べもの」という映画が公開されます。
2008年に制作された映画なので、日本公開まで随分時間がかかりました。
製作国のひとつであるフランスでは150万人が見た映画だそうです。
モンサントといえば、遺伝子組み換え食物界に君臨するアメリカの巨大企業であります。
2008年には「米ビジネスウィーク誌が選ぶ世界で最も影響力があった10社」にも選ばれたほどパワフルな会社ですが、過去にはあの枯葉剤や農薬、PCB、牛の成長ホルモンなどを発売したことでも有名です。
この映画でいう「不自然な食べもの」とは遺伝子組み換え食品のことですが、
映画では、影響がどんな形でいつ現れるかも分からないまま、遺伝子組み換え食品が
静かに世界中に普及していることについて、警鐘を鳴らしています。
アメリカではとうもろこしの増産推奨によって畜産物の飼料のほか、
コーンスターチ、コーン由来の甘味料などあらゆる形で食べものの中に混入されており、
それは食料の輸出という形で日本にも大量に入ってきています。
この映画では、アメリカのトウモロコシに占領されてしまったメキシコ農業についての話が主のようですが、日本も他人ごとではありません。
アメリカがどれほど人の生活をトウモロコシで埋め尽くした国かということについては、
「キング・コーン」という映画でも詳しく紹介されているので、
その映画を見た上でこの「モンサントの不自然な食べもの」を見ると、
より遺伝子組み換えトウモロコシの脅威について理解できると思います。
もちろん遺伝子組換え食品はトウモロコシだけではないし、
その安全性や生態系に与える影響については、モンサントも自社の見解を明らかにして、消費者の疑問に答える努力もしています。
一方で、モンサントは遺伝子組み換え植物への知的所有権について裁判を起こしたり、
種の価格をコントロールするなど市場を独占する動きも見せていて、
そうした行動のせいでインドでは農民の自殺が記録的に増えている、などという話もあります。
利益や効率追求が最高値に達したところで一体何が起きているのか。
それを知ることで、自衛するためには何をすればいいか、考える契機になると思います。
農を守ることは、食を守ること。
これを機に、食のあり方だけでなく、農業のあり方についても考えなおしてみませんか?
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