今回はGAPについての新たな動きの話です。
GAPといえばアメリカのファッションブランドの…ではもちろんなく、
前に「鈴木家の農事日誌」という記事でもご紹介した、日本の適正農業規範(Good Agricultual Practice)のことです。
これは私がアグリキュレーターとして重要視しているキーワードのひとつでもあります。
農業に経営管理という概念を導入することによって、農家の利益を安定させる。
その時に、食の安全や環境保全、労働安全衛生を担保するような仕組みにする。
このような改革を行おうとするときにベースとなるのがGAPです。
先日、私が会員になっている日本GAP協会(GAPの認証基準を作っている団体)からいただいた情報によると、
金融機関が融資先である農業法人などの評価基準としてGAPを活用しはじめたとの話です。
そのことを受けてか、業界紙「ニッキン」の6月29日の記事でも、
GAP認証に関して急成長しているアグリビジネスに対応すべく、日本GAP協会が「金融部会」を立ち上げ、
新たな基準づくりに取り組むという話が掲載されていました。
この動き、「農業界のISO」などと言われていて、今後の農関連ビジネスを語る上で欠かせないことは間違いないと思うのですが、
さて、どこまで成長させられるか?
認証基準を作るのに金融機関が参加することが、果たして日本の農業のプラスになるのだろうか?
果たして農業法人や消費者の立場に立った基準という立ち位置が守られるか、
懸念を感じずにいられません。
製造業では結局、規格へ準拠することばかり追い求めて、手段が目的化した感があります。
農で同じことが起こらないか、よく見ている必要がありそうです。
– 日本GAP協会
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