今回は、農業分野でIT技術が積極的に活用され始めたという話です。
7月5日にテレビ東京の朝の番組で放送された特集で、
被災地復興にIT技術がどう生かされているかが紹介されていました。
現在、被災地では農地が分散したり、住居と農地が離れてしまって
フレキシブルな農作業が困難になる「飛び地問題」が深刻化しているそうですが、
東北スマートアグリカルチャー研究所が中心となって、
離れたハウス農地の温度や湿度をカメラやセンサーを使い測定し、ネット経由で環境を管理するシステム開発が行われているとのこと。
気候などの急激な変化があった場合に遠隔地から対応でき、
何より既存の技術を利用しローコストでシステム構築できる点が魅力です。
ご存知の通り、外から電話を使って家の家電を動かしたり、ネット経由でペットの様子を観察したりと、
IT技術を使って離れたところのものを管理する技術はすでに一般的なもので、
既存の技術を応用して被災地農家の救済に使うところに、私は大きく共感してしまいました。
農業のIT化は、高齢化や後継者不足で衰退する一方の農業を救うため、
農家の経験による知識をデータ化することで、継承可能にしていこう(持続可能な農業の実現)
という試みを通して今までも続けられてきましたが、
実際には費用や農業従事者のITスキルがないなどの問題のため
あまり浸透していないという現実もあります。
東北スマートアグリカルチャー研究所は、この「農業振興にITを活用する」という課題に対して、
被災地農業の復興を通し、実現可能なモデルを提唱しています。
既存の技術を使って農業に新しい風穴を開ける。これはまさに私がアグリキュレーターとして実現しようとしていることです。
そしてGAP経営(とあえて私は呼びたいのですが、GAPを活用した農業経営のこと)にとっても
ITが果すべき役割が大きいと思っています。
テレビ東京の番組内では、大規模な投資をして被災地農業を根本から変える「植物工場」の話も紹介されていました。
この農法については私も今とても注目していて、いろいろと情報を集めているところです。
そこで感じたことは、近々また別の記事でまとめて皆さんに読んでいただこうと思っています。
乞うご期待!
– テレビ東京「被災地で進む新たな農業」(動画)
– 東北スマートアグリカルチャー研究所の特集記事(@IT MONOistより)
RSS feed for comments on this post. / TrackBack URI