私の地元は東京都稲城市です。
ここは東京でも有数の農業地域であり、特に梨の生産が有名な場所です。
しかしその割に、行政からのPRがとても貧弱で、規格外の梨など宝の山があるにもかかわらず、
それも手つかずのまま捨てられる一方です。
これをアグリキュレーターとして何とかしたいと思うのですが、なかなかうまい糸口が見つからない…
ところで、さる7月6日、東京都庁で「第6回都市農地保全自治体フォーラム」というものが催され、私もそれに参加してきました。
現在、都市のなかにある農地をどう活用するかという問題が活発に議論されるようになっているのですが、
今回は関連行政担当者の話や、東大の横張教授による「農と都市の新しい関係」という講演を聞いてきました。
その内容は以下の通り。
1)都市部の農地は都市計画法の縛りを受けており、いずれはなくなってしまうことになっていた。
(そもそも都市計画法には農地というくくりがない)
2)しかし、特に去年の震災以降、都市部における農地の役割が見直されていて、都市計画法の見直し検討会も開かれている。
3)都市部における農地の役割、機能は、単に農作物の生産というだけでなく、
農業体験を通した食育、災害時避難のためのオープンスペース、食料供給源、ヒートアイランド現象対策などがある。
農地の存続には活用の工夫が必要であり、生産地というだけでは困難な面もある。
4)農地保全のためには「企画力」「デザイン力」が必須である。
横張教授はこの企画力、デザイン力の事例として、アップルのiPadを挙げていました。
iPadといえば、キュレーテッドコンピューティング(無駄なものを削ぎ落して洗練されたUI設計)として有名で、
既存のパソコンの概念を大きく変えたキュレーションの例と言われています。
日本でも、佐々木俊尚氏の「キュレーションの時代」が出て以降、
世の中がキュレーションという考え方に注目し始めたことは確かな動きですが、
企画とデザインの力で都市農地を再構成するというのは、これこそアグリキュレーションの出番です。
都市農地は住宅などのそばにあるという特性から、実は有機農業に
適性があることも面白いところです。
この話は別の記事でもう少し詳しく紹介するつもりです。
キュレーションによって都市農地を洗練させ、そこに有機農業が絡んでくる。
そこに、私の地元である稲城を活性化させる技も潜んでいるかも?と私は睨んでいます。
地方だけでなく、都市部とその周辺部でも、アグリキュレーターとしての活躍の場を広げていくつもりです。乞うご期待!
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