今、密かに流行中の「50℃洗い」をご存知ですか?
これは、食材を50℃のお湯で洗うことによって鮮度を上げたり日持ちをよくしたりするというもので、
テレビや雑誌でも最近よく紹介されてブームになりつつあるテクニックです。
低温スチーミングという技術で有名な平山一政さんが発見したもので、
50℃という温度が細胞を壊さないギリギリの温度であるため、
火が通った状態にはならず、野菜などに水分がよく吸収されてシャキっとなり、
さらに味や食感までよくなって、雑菌が落ちるため日持ちもよくなるというもの。
肉や魚も50℃で洗うと、表面の酸化した油を落とすこともできるそうです。
洗うだけでなく大根を50℃のお湯に30分漬けてから冷蔵庫で冷まして大根おろしを作ると
味が格段に上がる「50℃漬け」というのもあり、
山芋や玉ねぎでも応用が効き、玉ねぎは古いものが新玉ねぎに変身するくらいの効果が出るそうです。
この50℃という温度は平山氏が独自に研究したもので、氏いわく「農業を変える」ものだとか。
そう聞いてはじっとしていられません!ということで、氏の講演を聞いて来ました。
その講演によると、普通野菜は早採りといって、完熟の5日前くらいに収穫し、消費者の手に渡るときに一番いい状態になるよう調整されているのですが、
収穫した野菜をまず50℃で洗うことで、生の状態での野菜保存期間が延びて、
畑でしっかり完熟させてから市場に出すことができる。
虫がいても駆除できるし、味もよくなるという付加価値がつく。
また、これはまだ研究段階のようですが、たとえば大根を12月に植えて毎日50℃のお湯を撒くと生育期間が短くなり、
その50℃のお湯が好気性の菌を増やすので土中のバクテリアのバランスまでよくなる。
良い土になるため野菜の味も上がるなど、
様々な面白い研究結果の話が聞けました。
単に家庭でしなびた野菜を復活させられるだけでなく、流通や生産の現場にまで応用が効く技術なのです!
平山氏は農業や野菜をとりまく社会を変えたいという強い思いを持って研究されているようですが、
その思いに反してこの50℃技術を商業化しようとする動きもあるようです。
この技術が一過性のブームに終わらないように、氏の研究を支援していかなければと思いました。
まずは50℃で洗ってみることから。みなさんも今日の夕飯は、野菜や肉を50℃のお湯で洗ってみてください。
特に葉野菜には効果バツグンですよ!
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