引き続き、植物工場の話題です。
前述したGPECで、千葉大の丸尾達准教授による講演を聞きました。立ち見も出る超満員の人気!
実は千葉大は今、植物工場関連で”台風の目”として注目を集めているのです。
農水省が、植物工場にかかわるセールストークを検証するために実証・展示・研修事業を行なっているのですが、
千葉大がその検証と数値化を行なっているのです。
今回の講演は、その報告でした。つまり、植物工場の現状がリアルに把握できるというわけです。
この講演の人気ぶりを見ても、今植物工場がどれほど注目を浴びているのかが推し量れるというものです。
ひとつの植物工場を作るために複数の企業が集まったものを「コンソーシアム」と呼ぶのですが、
今回の講演では、トマトの栽培として5つのコンソーシアム、レタスの栽培で2つのコンソーシアムの実証結果の紹介がありました。
最も印象に残った一言は、「栽培エキスパート(GROWER:技術と経験を持った人)の役割が最も大きい」というもの。
工場というからには、すべての作業が標準化、マニュアル化されており、
誰にでも出来る仕組みを構築しているかと思ったのですが、
植物工場ではこの、同一の条件で野菜を育成するという特性から起こる問題があります。
それはちょっとした異常が一気に広まってしまうというものなんだそうです。
つまりGROWERの判断ミスが大量の不良品を作ってしまう。
従来の農法に比べて作り手の技術が重要になってくるため、今後植物工場が発展したら、
優秀なGROWERの奪い合いが起こるだろう、との予測も出ていました。
また、種苗会社が植物工場の開発において重要な役割をになっていることも気になります。
GEOWERに加えて必要なのは、植物工場の特性にあった品種改良なのですが、
そこに安全性に不安がある遺伝子組み換えが入ってくることが心配でもあります。
どこでも誰でもできる、地域活性化にも役立つ新しい農業、というものとは、もしかしたら違った形になるのでしょうか?
今後の植物工場の歩む道を、よく見ている必要がありそうです。
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