8月13日の日経産業新聞環境面に、気になるニュースが載っていました。
「東芝、希少生物を人工増殖 自主的に多様性保全、首都圏7拠点で盗掘や乱獲回避」との話で、
東芝が「生物多様性条約」第9条(参考URLは文末に付記)に則って
「生息域外保全」(本来の生息域では生きていけない動植物を移動して繁殖させ、
元の生息域の環境も再生しながらそこに戻すこと)に取り組むという話です。
今回はこの「生物多様性」について考えたことを。
生物多様性について調べてみると、多様性の危機が起こっているのには4つの要因があり、
1)自然環境の破壊と汚染(この破壊には農地化も含まれている)
2)過剰な資源利用
3)外来種
4)気候変動
が挙げられています。
生物多様性については日本でも生物多様性基本法が2008年6月に施行されていて、
この中では有機農法が生物多様性の保全に役立つものとして挙げられています。
一方で農地は多様性の危機を招く要因でもある。農業は諸刃の剣ということです。
一番気になったのは、この法律で「守るべき生物多様性」として「野生生物」「地域固有の生物」という言葉が使われてることです。
「現在、私達の身の回りにある自然」とは違うのです。
先日、遺伝子組み換え種の開発で有名な日本モンサントの見学会に行ってきたのですが、
そこでの質疑応答で、
”「環境への安全性評価」は日本の場合江戸時代までに自生していた作物への影響を評価すればいい”
という話が出ていました。
たとえば、野草への影響は考慮するが野菜への影響は考えなくていい、と…
「環境への安全性評価は行いました」「生物多様性に配慮しています」という文言には
注意しないとまずいな、と率直に思いました。
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