釈迦、ピタゴラス、レオナルド・ダビンチ、シェークスピア、トルストイ、ガンジー、ヒトラー、宮沢賢治、ポール・マッカートニーの共通点は?
…と聞けば、勘のいい人ならピンとくるかな?そう、ベジタリアンの著名人ですね。
8月20日朝刊の朝日新聞に、ベジタリアンについての記事が載っていました。
農を考えるアグリキュレーターとしては、ちょっと気になる記事です。
ベジタリアンといえば日本ではあまり一般的ではなく、「野菜しか食べない人」と安直に受け取られがちですが、
実際にはベジタリアンにもいろんな種類があります。外国人のベジタリアンの方に触れ合った経験がある人は、
この人は卵は食べるんだなとか、この人は魚の出汁すら食べない!とか、そういう違いに驚いた方もいるかと思います。
(蛇足ですが、日本はベジタリアンの外国人にとって「とても住みにくい国」だそうです。
炒め物の豚コマなど、いろんなものにちょこちょこと動物性のものが入っているから!)
記事によると、ベジタリアンの語源はラテン語のベゲトゥス=「生き生きとした」だそうで、
必ずしも動物性のものを食べないという意味ではなく、その種類も細かく分かれています。
ビーガン、ラクト・ベジタリアン、ラクト・オポ・ベジタリアン、ペスコ・ベジタリアン、ポーヨ・ベジタリアンなどがその例で、
ポーヨ・ベジタリアンは鶏肉、魚、乳製品、卵はOKなのだとか。
この中で最も厳格な菜食主義がビーガンです。
他のベジタリアンが健康や宗教を理由にしているのと違い、ビーガンは一種の思想のようなものです。
動物愛護、環境保全などの倫理的な理由で、蜂蜜や動物性の出汁、さらに食用でない動物性のもの(ウール製品、皮革製品など)もすべて生活から排除します。
ビーガンにもその指向によってさらに細かい区分けがあるのですが、
単に「野菜を中心に食べる」という他のベジタリアンとは違うのが分かると思います。
そこで気になるのが、日本発祥のベジタリアニズムともいえるマクロビオティックです。
これは今女性を中心にブームが起こっているし、マドンナや坂本龍一、トム・クルーズ、クリントン元大統領にゴア元副大統領など、
やはり世界的な著名人が実践していることが知られているので、ご存知の方も多いと思います。
このマクロビも、ビーガンと同じく基本的には一切の動物性の食べものを摂取しません。出汁も植物性のもののみを使います。
しかしこれは陰陽などの東洋医学を元として作られたもので、動物性というよりは、「陰性」の食べものを控えるという食事療法です。
マクロビには玄米食を中心にするとか、有機農法で作られた野菜を食べるとか、旬の地場の野菜を食べるとか、皮ごと食べるとか、
食べものの選び方、食べ方にも様々な細かい決まりがあります。
単なる食事療法を超え、健康を志す意味での「生き方の選択」とも言えます。この方向性の違いがビーガンとはっきり区別されるところです。
私がアグリキュレーターとして追求している「有機な生き方」は、ベジタリアニズムというよりはマクロビオティックに近いものだと思います。
大地の恵みを存分に受けた野菜によって体を健康にさせる。これは、有機な生き方の重要な要素のひとつです。
しかし、前回も紹介しましたが、中食・外食の増加によって、生産や加工のなかで野菜の栄養素がどんどんとなくなり、
活力を全然もたない野菜ばかりを食べる人が増えているのは憂うべきことです。
菜食主義だけでなく、食事から活力を得るのは生き物としての基本的な行動です。
食べものの作り方や消費の仕方など、消費者の意識を変えていかないと、
食事から活力を得る「真に生き生きとした人」にはなれないのではないでしょうか。
そんなことを、ベジタリアンに関する記事を読んで思いました。
皆さんも、これを機にご自分の食生活を振り返ってみてはいかがでしょう。
あなたは、生き生きとした人ですか?
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