I.O.Cと聞いて皆さんが思い浮かべるのは、国際オリンピック委員会でしょうか?そういえば今年は夏のオリンピック&パラリンピックイヤーでしたね。
といっても今回はオリンピックの話ではありません。同じI.0.Cといっても、「国際オリーブ理事会」の話です。
そう、あのオリーブオイルの最も権威ある理事会です。
たとえばエキストラバージン・オリーブオイルと普通のオリーブオイルは何が違うの?なんて疑問は持ちませんか?
そのオリーブオイルの「等級」を決めているのがこの理事会で、
どんな材料で、どんな工程で作られているか、その品質や風味に欠点はないかという点をふまえて決められる
厳格な国際規格があるのです。
さて、I.O.Cの定めた国際規格には、以下のような順位があります。
1:エキストラ・バージンオリーブオイル
2:(ファイン)バージンオリーブオイル
3:オーディナリー・バージンオリーブオイル
4:ランパンテ・バージンオリーブオイル
5:精製オリーブオイル
6:オリーブオイル(ピュア・オリーブオイル)
7:オリーブポマース粗油
8:精製オリーブポマース粗油
9:オリーブポマースオイル
エキストラが最高級なのですが、これとファイン、オーディナリー、ランパンテが、
オリーブの実を絞ったままの一番搾りである「バージンオイル」です。
精製オリーブオイルはランバンテ・オリーブオイルを精製したもの。
ピュア・オリーブオイルは精製オリーブオイルにバージン・オイルをブレンドして食べやすくしたものです。
さらにこのピュアオイルに精製オリーブポマース粗油をブレンドすると、オリーブポマースオイルができる。
「ポマース(絞りかす)」とついているものは、二番絞りという意味です。
精製オリーブポマース粗油とは、オリーブの絞りかすから有機溶剤で抽出したオリーブポマース粗油を精製して作ったものです。
オリーブポマースオイルは、酸度が0.3以下で、各国の基準をクリアした場合、たとえば日本では「格安のオリーブオイル」として売られたりするようです。
ちなみに、日本で現在売られているのは、エキストラバージン、ピュア、オリーブポマースという3種類のオイルのみです。
これらの等級決めには大変細かい規定が様々あります。
エキストラバージン・オイルには、科学分析において、I.O.Cが定める全ての項目で一定以上の数値をクリアしていなければなりません。
たとえば酸度0.8以下、トランスオレイン酸0.05以下などですが、さらに
感覚分析検査というものがあり、公式パネルテストにおいて欠点が一切なく、完璧な風味を備えていなければなりません。
さて、私もオリーブオイル講座に参加して、テイスティングをさせてもらいました。
この時にテイスティングしたのは2種類のエキストラバージンです。
まずは手のぬくもりで28度ぐらいに温め、ワインと同じように香りや味を試します。オリーブオイルだけを味わったのは初めての経験!
このテイスティング、苦味や辛味の違いを感じられるかがポイント。
リードしてくれたオリーブオイルテイスターの板橋律子さんに、最近のオリーブオイルのトレンドにおける
7つのポイントを教えていただきました。
・単一品種(従来はブレンドが多かった)
・”ノヴェッロ””ヌーボー”と呼ばれる、その年初めて収穫したもの
・ノンフィルター(漉してない)
・有機栽培(ここでもやはり有機!)
・フレーバーオイル(オリーブにハーブ、にんにく、ベルガモット、レモン等の香りを加えたもの)
・小さなボトル(オイルが酸化するまえに使い切れるサイズ。
日本では250mlボトルが流行っているが、EUではさらに小さい100mlオイルが流行)
・酸化防止用の特殊なプラスティック製のキャップがついたもの
オリーブオイルについてこんな薀蓄が語れると、”通”に見えるかも?
講座では、日本で唯一オリーブオイル最高格付のエキストラバージンの生産者である、小豆島の高尾豊弘さんのお話を伺うこともできました。
この方2008年から耕作放棄地で栽培を始めたとのことで、オリーブ栽培は新規に参入しやすいのかも?とも思いました。
日本産オリーブオイルが世界を席巻する日も夢ではないのかもしれませんね。
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