明治の文豪である武者小路実篤。
有島武郎と並ぶ白樺派(理想主義)の中心的存在であり、階級のない理想郷である「新しき村」の設立者としても知られています。
皆さん文学史の授業などで一度は触れたことがあるのではないでしょうか?
その実篤の作品に「一個の人間」という詩があります。
この詩のなかには、私が信条としている「有機な生き方」に通じるものがあります。
皆さんにも是非感じていただきたく、全文を掲載させていただきます。
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「一個の人間」 武者小路実篤
自分は一個の人間でありたい。
誰にも利用されない。
誰にも頭を下げない
一個の人間でありたい。
他人を利用したり
他人をいびつにしたりしない
そのかわり自分もいびつにされない
一個の人間でありたい。
自分の最も深い泉から
最も新鮮な
生命の泉をくみとる
一個の人間でありたい。
誰もが見て
これでこそ人間だと思う
一個の人間でありたい。
一個の人間は
一個の人間でいいのではないか
一個の人間
独立人同志が
愛しあい、尊敬しあい、力をあわせる。
それは実に美しいことだ。
だが他人を利用して得をしようとするものは、いかに醜いか。
その醜さを本当に知るものが一個の人間。
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武者小路実篤記念館に行った際、「新しき村」の機関紙を見ました。
その表紙には、正方形を組み合わせた印象的なイラストが。
私は不思議な縁を感じずにはいられませんでした。
私の会社である「TADA」のロゴマークとすごく似ているのです。
実物を見たかったのですが、あいにくその日は公開されておらず、かないませんでした。
必ず再訪して、実物を見ながら学芸員(キュレーター)の方とお話してみようと思っています。
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