新潟県長岡市に普通車からEVへの改造を手がけるEVhondaという企業があることは、以前このブログでも紹介しました。
地球温暖化防止のため全国にEVを普及させ、そして部品をできる限り地元企業に発注することで地域活性もはかるという、
地方の自立という課題に正面から取り組んでいる素晴らしい企業なのですが、
そちらが開いている「てづくり電気自動車教室」という講習会に参加してきました。
10月3日~5日の3日間かけて、手作りで改造電気自動車を作るという講習だったのですが、
3日間みっちり(現地のホテルに2泊して)頑張りました!
文字通りの「手作り感覚」で、部品は現物あわせ、カットや溶接などの金具の加工やはんだ付けなども行い、
チームで一台の電気自動車を作り上げていくことを体験しました。
今回ははじめての女性の参加もあり、EVへの関心の高さを体験することができました。
これは、私の目指す「現代の村の鍛冶屋」のひとつの形だな、というのが一番大きな感想でした。
昔はどの村にも鍛冶屋さんがいて、その人が村人の農具のメンテナンスからレンタルまですべて引き受けていたそうです。
つまり、道具を最適化することで農業を下支えをしていた。
地域の自立には、そこに現代の村の鍛冶屋の介在が必要で、そのひとつは手作業でのEV製作ということも大きな比重を占めてくると思うのです。
社長の本田氏の話で「EVとは電気自動車のことではない」という言葉が強く印象に残っています。
確かに、EVとは「Electric Vehicle=電気で動くのりもの」のことです。
農家にとっては必需品である軽トラだけでなく、トラクターなどの農機具だって対象になるんです!
農山村にある豊富な再生可能エネルギーを使えば、農家の負担はそれだけ軽くなります。
宇奈月温泉では小水力発電などの再生可能エネルギーから得られた電力でEVバスを走らせ、
先進的なエコ温泉リゾートとして活性化させるプロジェクトが行われているのですが、
EVはこういった「エネルギーの自立」という動きにも、大きな支えになります。
エネルギーの自立には法的な大きな壁があって、実現はなかなか難しいのですが、実はEVは小さな電気を移動させる手段になる、という話も前にご紹介しました。
EVに充電して別の場所に電気を持っていくことで、発送電の自由化についての法的な壁を超える可能性も持っているのです。
このように、本田氏の手がけるEV製作は、地域の自立という問題に関して様々なキーを握っています。
しかし今回自分でEV車改造に携わってみて、同時にその技術的な難しさも痛感しました。
誰もが簡単にできるというものではありません。
そこで現代の村の鍛冶屋の出番です。EVhondaのような企業が日本中の地方に出来れば、日本の農業や地方のあり方は大きく変わるのではないでしょうか?
私がその橋渡し役になって、地域の自立と活性化をすすめていきたいと今、策を練っているところです。
一方で、こんな本も読みました。
藤原靖之氏の書いた「非電化思考のすすめ」という本です。
この方は「非電化工房」を主宰していて、電気そのものを使わない方向にシフトする生活を模索しています。
エネルギーの自給ではなく、エネルギーはいらない、という考え方ですね。
現在私達が当然のように使っている電化製品を、非電化製品として製造・販売しています。
「電気を へらすと 便利が へるぞ
電気を へらすと 時間が へるぞ
電気を へらすと お金が へるぞ
電気を へらすと 幸せが へるぞ
…… ほんとかな?」
そんな印象的な言葉がホームページに掲載されていました。
果たして、電力を使わずに現在の利便的な生活を維持できるのか?
その可能性を探りに、次はこちらの工房にも伺ってみたいと思っています。乞うご期待!
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