世田谷の都市農地で「ART in FARM」というイベントが開催されていたので覗き見してきました。
世田谷といえば、都内有数の住宅地であると同時に、有数の農地でもあります。
先進的なことに敏感な若い世代も多く、これからの都市農地のあり方がよく現れている場所だと私は思っています。
その世田谷は野毛にある葡萄畑で行われたイベントなのですが、
「光・水・みどり・大地 農地の今日的意義を、アートを通じて模索・提唱していく運動」
「収穫を終えた葡萄畑。私達が忘れていた”何か”を収穫するアート展」
というようなテーマで行われたようです。
現在は山登りやキャンプ、野外音楽フェスなど、自然に触れる形でのアクティビティが若者に人気で、
世田谷に住む子育て世代は、都市にいながら自然に触れられることを魅力に感じているとも聞きます。
そこで行われたこのイベント。
私は無料展示を覗いただけですが、10月13日(土)14日(日)には地産地消の野菜を使ったカクテルなどの飲み物や、
野菜を使ってものを作るワークショップ、パーカッションの演奏など、いかにも世田谷らしい素敵な演出が行われたようです。
そもそもアート(芸術)とは何なんだろう?こんな疑問を持ってネットを検索していたら、
おなじみのWikipediaで興味深い記述を見つけました。
「藝の原字は「埶」で「木」+「土」+「丸」の会意文字で両手を添える様を示し、植物に手を添え土に植えることをもとは意味した。のち、さらに「艸」を添え、「蓺」として、植物であることが強調された。「芸」は「云(ウン)」を音符とし、「たがやす」に意を持った別字であったが、後に混同された。」
面白いでしょ?農とアートは、元々こんなに繋がりが深いものなのです。
最近「半農半芸」という言葉が流行のきざしだそうです。
私が受講した農業ビジネススクールを主宰していたパソナ農援隊でも淡路島で半農半芸のプロジェクトを行なっていたり、
今各地でそのような暮らし方をしている人々がどんどん増えているのです。
古くは武者小路実篤の作った「新しき村」で行われ、
少し前に芸能人が芸能活動を続けながら農業生活を行うことで注目を浴びたようですが、
今ではもっと、土に寄り添うようなゆるやかな生活のなかで、アートと農が一体となったような暮らしを指す言葉に進化しました。
これは、都市農地が持った新しい価値だと思います。
農地が人々の癒しとして、植物や土そのものが人々の「アートな心」を刺激するものとして存在する。
都会のなかの農地に自然と人が集い、同時にその人のライフスタイルにアートが浸透する。
現代社会に求められる農のあり方として、見逃せない側面です。
こういうイベントは是非私も参加したいところです。アグリキュレーターとのコラボで、有機や自立といったキーワードを入れながら
さらに豊かな都市農地のアートを実現していきたいと思いました。
追記:文末に農とアート関連で精力的に活動している団体のホームページもいくつか付記しました。興味のある方はこちらもどうぞ。
– ART in FARM at 木村ぶどう園チラシ(PDF)
– パソナ「ここから村」-淡路島で音楽家・芸術家の集まる村を創ろう
– 糸島芸農 Itoshima Arts Farm(福岡県)
– 取手アートプロジェクト>半農半芸(茨城県)
– 広島アートプロジェクト「半農半芸+ちょっと農」
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