韓国産60%、オランダ産20%、ニュージーランド産10%…この数字、何かわかりますか?
これ、日本国内で流通しているパプリカの原産国なんです。
実は、この一週間で「農家の国家戦略」というキーワードを2回聞き、この数値を思い出したのです。
先日の土曜日、明治大学のアグリサイエンス講座は「施設園芸」
(誤解を恐れずに言えば、いわゆるハウス栽培)というテーマで、
明治大学の植物工場センター長である池田敬准教授のお話を聞いたのですが、
ここで出たのが、韓国農業の国家戦略の話。
韓国は国家戦略として、日本にパプリカを売り込もうと決め実践していると。
講義では、日本に流通するパプリカの8割は韓国産と聞きました。
韓国はアメリカとのFTPで農業が大打撃を受けたと報道されていますが、
国として戦略的に農業を育成し、輸出で稼ぐという産業にまで育てています。
狭い国なのに農産物の生産額2位のオランダも、国家戦略として農業を育成しているという話も。
ひとつの農家はある一種(パプリカなら自分は黄色しかやらないというところまで徹底!)に特化した栽培をして、
仲間同士オープンにノウハウを公開。国として世界市場で戦うというスタンスなのだそうです。
一方日本の農家といえば、それぞれが栽培に工夫しており、ノウハウを共有するという文化は希薄です。この違いは大きいですね…
これから世界の人口増加、気候変動、土地の製薬、水不足、生産の不確実性などで、
遺伝子組み換え食品、加工食品などが増えていき、
日本人が好むと好まざるとにかかわらず、世界の環境が変わることに飲み込まれていくでしょう。
自国内での保護政策で減反、戸別所得補償などと言ってるレベルではなく、
もっと世界の変化に合わせた形で食や農を見て、それにあわせた戦略を練るのが国家だと心底思いました。
日本の農業がこれ以上世界においていかれないよう、切に願います。
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