有機野菜の栄養価に関して、アメリカで議論が続いていることを知っていますか?
最近の動きがまとめられている記事を見つけたので、紹介します。
果たして有機野菜が本当に健康によく、高い値段を払う価値があるのかどうか?
スタンフォード大の研究チームが過去40年にわたる237例の事例を再検討し、
「有機野菜は残留農薬が少ないものの、栄養価は有機でない野菜とは変わらない」と発表したのが今年9月。
元々長く議論されていた問題が再燃することになりました。
栄養価の面では、米国の小児科学会や学者なども無機野菜との差はないとし、
とにかく野菜類を積極的に摂ることを薦める向きもあります。
私自身の意見としては、どちらが栄養価が高いというよりも、
栄養価の議論とどちらの野菜が優れているかという話は別次元の問題だと思っています。
非営利団体「公益科学センター」の主任栄養学者が言った、
「このような議論は的外れだと言う。多くの人が有機食品を選ぶようになったのは、
食品に含まれる農薬や化学物質を避けるためであって、栄養面でのメリットが理由ではない」
という言葉に、とても共感しました。
これは栄養価の問題ではなく、食の安全に関わる問題なのだと私も思っています。
その物質を取り込むことで、どんな影響を受けるか未知数のものは、なるべく摂らない方がいい。
有機野菜はそういうニーズに答えられるのです。
有機だから万能だと思うのではなく、どういう点で有機野菜が優れているのか。
そういう見方をすることは、野菜だけでなくあらゆる食品の安全をはかる上で、必要な目だと思います。
余談ですが、有機農法といえば「糞」。というと言い過ぎかもしれませんが、
堆肥を動物の糞からつくるイメージがあると思います(実際にはそれだけではありませんよ!)。
牛糞、鶏糞、豚糞などが一般的なのですが、調布市で馬糞を使った堆肥を使った例があることを聞きました。
お隣の府中競馬場関係から馬糞をもらってきて、堆肥にしたとのことです。
私が推奨しているGAP(Good Agricultural Practice=日本の適正農業規範)では、
牛糞を使った堆肥でも、何を食べたか分からないので、ちゃんと成分を分析しているかどうか
チェックをすすめたりするのですが、
府中競馬場から出る馬糞といえば、サラブレットのそれも、一流競走馬の糞!
もしかするとすごくいいものを食べていて、堆肥にピッタリなのかも?なんて思ってしまいました。
競走馬の馬糞を使えば、もしかして有機野菜の栄養価も上がったりして…?
糞のことから有機を考える。そんな見方も面白いかもしれませんね。
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