先日のアメリカ大統領選挙、結局民主党のオバマが再選となりましたが、皆さん選挙の様子は見てましたか?
大統領選挙のお祭り騒ぎの最中、同時に行われていたのが各州の「住民投票」。
その土地によって様々な議題があったようですが、そのひとつに、
カリフォルニアでの遺伝子組み換え食品の表示義務の話があります。
これが賛成44.8%、反対55.2%で否決されたそうなんです。
リンクの記事には、
「表示義務が可決されれば全米初であったが、モンサント社など大手食品・バイオ企業が反対キャンペーンを展開。
モンサント社はこのキャンペーンに800万ドル(6億3000万円)を超える巨額を投じ、
反対派は総計4600万ドル(36億5000万円)を費やしたという。」と書かれています。
お金の力はすごいです。これだけの巨額が投じられたのに、賛成が44.8%もいたことが逆に不思議に感じられるほどです。
ということは、カリフォルニアの人たちは本当は、遺伝子組み換え食品の表示を義務付けたかったんですね。
これほどの反対キャンペーンがなければ、この住民投票の結果は逆転していたかもしれません
モンサントといえば、私のブログでもたびたび言及してきましたが、古くはあの枯葉剤の製造メーカーとして、
今では遺伝子組み換え作物の多国籍企業として知られています。
モンサントの行なっているグローバル戦略は、各地域に昔からある多様な農業を駆逐し、
いまや農業界を世界支配する巨大企業として君臨しているわけです。
遺伝子組み換え作物を世界に広めようとする企業ですから、
今回のような反遺伝子組み換えの動きが承認されるのは困る。
なので、このような派手な反対キャンペーンに打って出たのでしょう。
モンサントの闇の部分に関しては、これも何度も紹介しましたが、
「モンサントの不自然な食べもの」という映画が詳しいです。
また、遺伝子組み換え作物の実体については、「食の未来」という映画を是非見て欲しいのですが、
現在DVDで手に入るようです。詳細は付記したリンクを御覧ください。
日本ではすでに遺伝子組み換え食品の表示義務があり、この表示をさらに拡大するための議論も進んでいますが、
一方でこれは、TPPによってアメリカから日本市場へ入ってくる食品にとっての参入障壁とも言われています。
なので、アメリカの食品企業が表示義務の撤廃を求めてくる可能性があります。
もしそうなれば、日本もアメリカなみの遺伝子組み換え食品の国となるかもしれません。
なので、今どれだけ表示義務に議論しても、TPPに参加してしまえば意味がない、という話にもなりかねません。
TPPに関する議論は様々紛糾しているのはご存知の通りで、政治の舞台でも随分と揉めていますね。
その時に、遺伝子組み換え食品と食の安全についての観点も、是非忘れずに議論してほしいものです。
– web DiCE「カリフォルニアで遺伝子組換え表示義務否決」
– 「モンサントの不自然な食べもの」予告編
– {食の未来」DVD情報
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