私が通っていた明治大学のアグリサイエンス講座で、11月24日に最終講義が行われました。
ここで実際に土を触って野菜を作ったことは、私にとって野菜の実り以上の大きなものを残しましたし、
講義は毎回多彩な切り口で私の考え方を広げてくれました。名残惜しいです。
そんな講座での最終講義は「食品加工と安全、健康、おいしさ」というもの。
今まではは作物(つくるもの)の話、今日は食物(たべるもの)の話です、という、
まさにアグリサイエンスのまとめにふさわしい内容でした。
今回も大変興味深い話が多く、すべてを紹介できないのが残念なくらいですが、
そのなかでも最も私の印象に残ったのは「オノマトペ」についての話。
オノマトペとは、擬音語(ドカーン、サラサラなど)と擬態語(ニヤニヤ、デレデレなど)の
双方を合わせたものを指すのですが、
日本語には食感表現のオノマトペがとても多いそうなんです。
そもそも美味しい物がある国には言葉のなかに食感を表現する単語が多く、
2003年時点での日本語の食感表現は445語を記録し、なかでもオノマトペがその7割を占めていたとのこと。
これは美食で有名なフランスの226語、足があるものなら何でも食べそうな中国の144語に比べても、
その多さが際立っていることが分かります。
反対に食事がまずいことで有名なイギリスは、たった77語しかないのだとか。
日本語で特に特徴があるのは「粘り気」の表現だそうです。
通常粘り気は腐ったものを表現するのに使われるそうですが、
ジャポニカ米を食べている日本には食感表現が70語もあるのだとか。
具体的にいうと「ねばねば」「ねっとり」「にちゃにちゃ」などです。
「にちゃにちゃ」が美味しそうかどうかはさておき、11月26日の読売新聞には
最近流行している北海道の「ゆめぴりか」について、
それまでの収穫量重視の品種開発からおいしい米作りへと転換し、
12年掛けて粘りの強い品種を開発したという話を紹介していました。
この粘り気へのこだわりがブランド米を生んだということです。
どんなオノマトペが多いかを探っていくと、次の食品開発に役に立つかもしれません。
ところで、粘り気の表現の次に多い表現は何だと思いますか?
それは、弾力に関する表現だそうです。
ぷりぷり、ぷるぷる、ぷるん、などです。63語あるそうです。確かに美味しそうな響きです。
今後のマーケティングのためにも、できれば445語すべてのリストを見てみたい!
みなさんはどんな食感表現を思いつきますか?
RSS feed for comments on this post. / TrackBack URI