今回は「物語を売る」番外編、食の物語が巨大な鉄の塊を飛ばすという話です。
JALが会社更生法の適用から再建に向けて様々な努力をしていることは知られていますが、
そのひとつの「AIRシリーズ」でケンタッキーフライドチキンの提供が始まったとのこと。
このAIRシリーズ、国際線の機内食でファストフード店など外食産業大手と提携して、
機内食限定のオリジナルメニューを提供するもので、
この「AIRケンタッキーフライドチキン」が7弾目。
2011年から始まった同シリーズは、今までに
AIR MOSバーガーでてりやきとライスバーガーきんぴらの2種類、
AIR吉野家、AIR MISDO、AIR肉まん、AIR たいめいけんと続いて話題を集めてきましたが、
クリスマスシーズンということで今回はケンタッキーだそうです。
JAL機内史上まれに見る「揚げ物」の提供には、相当な苦労と様々な試行錯誤があったようです。
そういうドラマを知ることでも顧客の興味をかきたてるでしょうし、
街で食べ慣れている味を空の上で食べられるこのシリーズ自体に物語を感じる人もいるでしょう。
JALの機内食では他にも、大阪発ホノルル行きに「堂島ロール」など関西で人気の食ブランドが
提供されたり、機内食が付加価値となるような様々な施策が行われているようです。
このシリーズが食べたいからJALに乗る、そんな人の数が増えれば、飛行機の便数が増えることもあるかも?
食の物語が、その商品を売るだけでなく、別のものの「付加価値」となって効果を生むかもしれないというお話でした。
ちなみに、ご存知のかたも多いと思いますが、ケンタッキーフライドチキンを
クリスマスに食べるというのは、日本だけの習慣です。
本場欧米では、七面鳥ですね。
何故こんな習慣が根付いたのかということについて、KFCサイトのFAQに逸話が載っていました。
KFCが日本に上陸して間もない頃、当時日本では入手しづらかった七面鳥のかわりに
KFCのチキンでクリスマスを祝おうと、在日外国人が青山店に来店したことを聞いた営業担当が一大キャンペーンを張ったのだそうです。
「土用の丑の日にはうなぎ」の現代版ですね。
KFC自体にもそんな物語があったのです。
クリスマスにまつわるKFCの話を思い出しながら、空の上で限定メニューを食べるクリスマス。
物語のおかげで、旅も食も一段と楽しくなりそうです。
– 日経新聞12月11日「JAL機内食に「ケンタッキー」 肉に一工夫、地上の味を再現」
– JAL「AIRケンタッキーフライドチキン」プレスリリース
– JALの色々な機内食(ページ中央下)
– ケンタッキーフライドチキンのFAQ
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