12月17日放送のTBSラジオ「森本毅郎スタンバイ」のトークパレットというコーナーで、「食品業界の習慣」についての話がありました。
このブログでも少し前に、食品小売の商習慣についての記事を書いたところですが、
食品業界の習慣が、社会問題にもなっている「食品ロス」をひどくしているとのこと。
それは、賞味期限の扱い方についての話なんです。
お店にある商品を買う時、賞味期限は大体の方がチェックすると思います。
で、出来る限り新しいものを買うと思いますが、その行動が
業界の憂うべき習慣を根強くしているということを知っていましたか?
日本の食品業界には「3分の1ルール」というものがあって、
賞味期限があるような加工食品の場合、期限が残り3分の1になったら店頭からひっこめて
製造加工メーカーに戻し、その多くが廃棄されるのだそう。
缶詰など賞味期限が3年ぐらいあるものは、最長でも残り1年のところで店頭からなくなるので
一般の消費者の目に触れないようになってしまう。もったいないです。
しかしこれ、消費者が少しでも新しいものを求める気持ちに応えるため、1990年台からはじまった習慣だそうで、
賞味期限が長いものは、3分の1どころか2分の1で廃棄になるものもあるそうです。
メーカーで在庫としてあるものが、そのまま廃棄になるのも含めると、
大変な量の食品ロスを生んでいることになります。
日本では年間約1800万トンの食品廃棄物が出ていますが、食品ロスとはそのうち、食べられるのに捨てられていく食物のことです。
食品ロスを減らそうとする背景には、食べられるものを捨てるなんてもったいないという道義的な理由もありますが、
世界人口増加に伴う食料危機を前に、どう自国の食料を確保するかという問題にも影響してきます。
食料を垂れ流す現状は、見直されなければならないのです。
この問題の解決を目指し、博報堂が「フードロスチャレンジ」というプロジェクトを立ちあげてたそうです。
そちらのサイトにも詳しい情報が載っているので、興味のある方は是非見てみてください。
Facebookのページでは、一般参加者も募集しています。
しかし、清潔や衛生、味に関してうるさいことで有名な日本人が、
果たしてどのくらい賞味期限に関して寛容になれるでしょうか?
その答えになりそうな、気になる動向があります。
今「ワケあり商品」としてこういう食品が格安で出回っているそうです。
ネット通販でもブームになっているし、デパートの催事場などで行われるセールも人気だそうです。
実は、売り方次第で廃棄されるはずだったものが人気商品になる可能性大なんです。
賞味期限が残り少なくても、安ければ欲しい人はたくさんいるはずですからね。
この問題については、読売新聞にも詳しい記事があります。ポッドキャストでラジオの放送内容を聞くこともできます。
多くの人が知ることで、この悪しき習慣がなくなれば、誰にとっても幸せなことですね。
– 森本毅郎スタンバイ!ポッドキャスト
– YOMIURI ONLINE COME ON ギモン 「賞味期限前の加工食品廃棄につながるという「3分の1ルール」って何?」
– FOODLOSS CHALLENGE フードロス問題って?
RSS feed for comments on this post. / TrackBack URI