2013年のブログ、本日より始動です。
去年の新聞記事になりますが、外せない話題なので是非紹介したいと思います。
2012年12月25日、朝日新聞デジタルの記事に「種の自給率」についての話が載っていました。
有料記事なので会員登録しないと読めないのですが、気になった部分をかいつまんでご紹介します。
日本の食料自給率は40%という話は皆さんよくご存知だと思いますが、これはカロリーベースで見た時の数字で、
農作物の種の自給率でみるとどのくらいだと思いますか?
記事のなかに、こんな1節がでてきます。
「野菜の種の海外採取はどこまで進んでいるのか。
国内の大手種苗2社が、サカタのタネ(本社・京都市)が87%、タキイ種苗が8~9割と明かす。
国内での採種は全体の1~2割。日本の食料自給率(カロリーベースで4割)よりずっと低い。」
海外採種とは、文字通り海外で野菜の種を作ることで、
タキイ種苗の場合は、種の研究開発は日本で行うものの、
多くのF1種をアメリカ、イタリア、チリなど世界各地に設けた採種場で作っているとのこと。
これは生産者の需要を賄うために最適な環境を整えるためなのですが、
そういった効率ベースの考え方が結局は種の自給率を大幅に押し下げているわけです。
朝日の記事を見られる方は是非直接見てほしいのですが、
自分たちが植えるものの種は自分で採るということ、つまり自家採種という方法がすでに行われなくなり、
種苗会社から種を毎年買っているという現実、
そしてその種苗会社のほとんどが海外採種しているという事実。
韓国では国内種苗会社が海外の多国籍企業に買収されていっていることも書かれています。
記事では特に危機感を感じませんでしたが、書かれている現実を冷静にみてみると、
知らないうちに食の根源が自分たちの手の届かないところへ行ってしまっているという恐ろしい現実が
描かれていると思いました。
しかしそんな危機的な状況にも立ち向かおうとする動きが、草の根から出てきていることも確かです。
私のTADAのサイトに松下祥子さんの取材記事を定期的に掲載しているのですが、
次回のテーマはズバリ「種の自立」。そちらでこの話の続きを展開したいと思っています。是非ご期待ください!
– 朝日新聞デジタル「国産野菜、生まれは海外<食卓のタネあかし:上>」
※古い記事ですが、種の話のほかにも、
私がブログで語ってきたことと重なることが多く書かれています。
タキイ種苗の海外採種についてのネタ元です。
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