「GXP」という言葉をご存知でしょうか?
これは日本語でいうと「適正”X”規範」という言葉になります。Xというのは、◯◯でも代用できます。
つまり、「適正◯◯規範」で、間にはいろんな言葉が入るという意味です。
食の世界にも、サプライチェーン(供給者から消費者までの流れ)の各段階にXを当てはめた考え方があります。
例えば私が指導員の資格を持っているJGAPのGAPは、Good Agricultual Practiceの略で、
日本語にすると「適正農業規範」となります。
Xに入るアルファベットにはほかに、M(manufacturing=加工)、D(Distribution=流通)、R(Retail=販売l)があります。
それぞれの規範には、その工程でのあるべき姿が描かれています。
農業分野では農産物の安全、労働者の安全衛生、環境保全、販売管理という視点で、
その規範・基準が規定されています。
すべてリスク管理という視点でのマネジメントを要求するものです。
さて、GXPはサプライチェーンの各段階にXをあてはめたもの、と最初にご説明しましたが、
A、M、D、Rときて1つだけ足りないものがあることにお気づきでしょうか?
そう、最終到達点である「消費者」の適正規範です。
消費者である私達にも、世の中のデマや風評に惑わされずに、安全・安心な食生活を行うための
行動規範があってもいいのではないでしょうか?
このブログでも最近続けて紹介しましたが、
消費者の思い込みや行き過ぎた消費行動が食品ロスを生んだり
変な業界の習慣を作ったりもしています。
消費者として、食に対しての正しい認識をもち行動することが必要であり、
「適正消費者規範」(GCP?CはConsumer)を作るべきではないかと提唱する本が出版されました。
著者の思いが書かれたページもあります。リンクを末尾に付記しますので、皆さん読んでみてください。
目次は以下のとおり。
消費者という視点で、食の安全に関して見事にキュレーションした内容だと思います。
Webページには参考文献のリンク集もあり、これだけでも役に立ちそうです。
『お母さんのための「食の安全」教室』
目次
第1章【食品と放射性物質】
1 放射性物質のリスクはどれくらい?
2 放射性物質対策で考えるべきトレードオフとは?
3 子どもや妊婦への影響は?
4 食品の基準値はどう決められている?
5 風評被害を防ぐには?
6 水産物への影響は?
第2章【生物から身を守る】
1 肉、レバ―の生食は危ない?
2 冬の食中毒を撃退するには
3 微生物による食中毒を防ぐ6つのポイント
4 牛海綿状脳症(BSE)はどんな病気?
5 アレルギー表示、どう見る?
第3章【化学物質から体を守る】
1 農薬は今、どうなっている?
2 食品添加物が嫌いですか?
3 農薬や食品添加物に複合毒性はあるの?
4 食品中の発がん物質とは?
5 トランス脂肪酸は本当に怖い?
6 環境ホルモン研究のその後は?
第4章【思い込みの怖さを知る】
1 中国産食品は怖いですか?
2 遺伝子組換え作物が嫌いですか?
3 有機農業は安全って本当ですか?
4 消費期限、賞味期限はどう決まる?
5 健康食品で健康を守れるの?
6 意外に大きく身近なリスク、窒息を防ぐには?
第5章【リスクの考え方を知る】
1 リスクの意味、理解していますか?
2 食品安全行政の仕組みは?
3 リスクの比較をしてみよう
4 適正消費者規範を作りませんか?
この本が、自分が消費者として適正な行動をとれているかどうか、振り返ってみるいい機会になることを願っています。
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