メニュー調味料って言葉、ご存知ですか?
味の素の「クックドゥ」といえば皆さんピンとくるでしょうか。
特定のメニューに対応した調味料のことで、具材と合わせるだけで本格的な料理を楽しめるというもの。
1月11日付けの日経産業新聞の生活・食品面に、節約志向を背景に自宅で食事をする「内食」傾向が強まっており、
そんななかでヱスビー食品がこの3月に、自社が発売するメニュー調味料を
現在から倍増の47品目にするという記事が載っていました。
韓国料理のサムギョプサル、チャプチェや、洋食ではラタトゥイユなど、
私にとっては聞き慣れないメニューばかりですが、今人気なんでしょうか?
包装も工夫して調味料売り場ではなく生鮮食品売り場にぶら下げられるようにして、
消費者が食材とともに手に取ってもらえるようになっているようです。
働く女性が増えて、手の込んだ料理を作る機会が減ったために、
本格料理を簡単に作ることができるメニュー調味料の市場が拡大している、との話でした。
まあ、この理屈は最近、いろんなところでよく聞く話です。
自民党政権になり、アベノミスクなんて言葉も聞くようになりました。
つまりデフレ脱却を目指し、金融緩和を徹底していくというような方向なのですが、
今後国民の所得を増やし、豊かさを実感できるようにする、といってます。
こうなったとき、内食はどうなるでしょうか?
メニュー調味料の需要はどうなるでしょうか?
調理済のものを家で食べる中食とは違い、調味料が調合済みというのは「中内食」とも言えます。
種類が増えるということは、売れ筋じゃないものの廃棄ロスも増えるのかもしれません。
こんなに多くの品目が食品添加物で作った「既成品」としてできると、
いわゆる「おふくろの味」のようなものはどんどんなくなっていくのでしょうね。
でも、残ったメニュー調味料で違った料理を作る情報流通なんかも起こるかもしれない。
ヱスビー食品では、生産拡大のために設備投資も視野にいれているようです。
新しい政権が実現するかもしれない「豊かさ」が、家庭生活を犠牲にして働いた結果得られるものでなく、
心や時間の上でも豊かになるような方向での変化であってほしいと切に願います。
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