1月16日付けの朝日新聞によると、「カルピスがマーガリンを作る」というちょっと目を引くニュースが。
記事ではマーガリンとなっていますが正確には「マーガリン類」で、この商品はファットスプレッドです。
3月1日発売なのですが、すでにネットでは話題になっているようで、
パンに塗るカルピスというインパクトはかなり大きいようです。
J-オイルミルズとの提携商品で、まるでカルピスのような白さと味が特徴。
トーストよりも、柔らかいパンに向いているとか。
マーガリンとファットスプレッドの違いは、JIS規格によると、
「油脂含有率が80%を超えるものがマーガリン、80%未満がファットスプレッド」です。
ファストスプレッドはマーガリンに比べてく水分の割合が多いため、カロリーが少なくて柔らかく、パンに塗りやすいのが特長です。
マーガリン類といえば、トランス脂肪酸や飽和脂肪酸が多く、体に悪いともよく言われます。
その批判をうけて、現在は含有量が減ってきているようですが、いずれにしても、取りすぎには注意ですね。
ところで、カルピスといえば今回発売されるファストスプレットの前に、バターがあるのをご存知でしょうか?
これは知る人ぞ知る絶品で、カルピスを作る時にできる副産物なのですが、
30本分のカルピスから450グラムしか取れないという、希少価値が高いものです。
特にシェフなどのプロや本物志向の「通」から支持されていて、
日本ではほとんど流通していない「発酵バター」がラインナップにあることも特徴です。
この発酵バター、国内では私の故郷函館の修道院で作られる「トラビストバター」ぐらいしか他に目立った商品はありません。
牛乳を乳酸発酵させてから作るバターで、バターの本場ヨーロッパではこちらが主流。
発酵バターの有名ブランドで、日本でも人気の高い「エシレバター」のサイトには、
こんな印象的なことが書いてありました。
「バターはテロワール(土壌)の産物」
「エシレの発酵バターは大地からの贈り物」
エシレ村の土は石灰質が多く、大西洋側の温暖な気候とあいまって良質な牧草を生育し、
その草を食べて大らかにそだった牛が、最高の乳を出すのだそうです。
前回の土を食べるフルコースと同じく、キーワードは「土」!
「本物」はよい土から生まれてくる。農業の原点は、土づくりにあるのです。
カルピス株式会社は、2012年の10月に味の素からアサヒグループホールディングスの子会社になったそうです。
生き残るための様々な企業努力がなされているようですが、カルピスバターも主力商品のひとつ。
ファストスプレットも面白いかもしれませんが、個人的にはカルピスバターのような「土に足のついた」商品が注目されて、
それが農と食を見直す契機になる方に期待しています。
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