今回はまず、「じゅるじゅる」する話から。
1月15日の日経産業新聞新製品面に、「チルドカップ飲料」の傾向についての記事が載っていました。
これは、ペットボトルでも缶でもなく、紙コップに蓋をしたような形の、
コンビニでよく見かける飲料のことです。
このカップ飲料が、女性客を中心とした「プチぜいたく」消費としてメーカーの注目を集めているとのこと。
従来からあるプリンやゼリーよりさらにデザート感を高めて、
コーヒーとケーキをカフェで食べるかわりになるようなチルドカップ飲料が登場しているようです。
どんなものかと言うと、気分や好みに合わせて振る回数を変えると
好みの食感を味わえるコーヒーゼリーや、振って飲むプリンなど。「じゅるじゅる」という感じです。
豊かな食文化を持つ日本語には、食感を表現するオノマトペ(擬態語、擬音語)が多いと
以前このブログで紹介したことがありますが、
頭打ちになっているチルドカップ飲料市場で、この「食感」を刺激する戦略、どういう顛末となるでしょうか?
私は対象客層ではないのですが、順調な売れ行きだという
「スターバックスフラペチーノキャラメルクリーム&コーヒージェリー」を試しに飲んでみました。
食感はほどよい「じゅるじゅる」感。なるほど、これは癖になりそう。
私にとってはちょっと甘すぎるかなという感じですが、デザートと考えればこんなものでしょうか。
我が家の近所のお店では、230円でした。
ところでこれは、私向けの商品となるのでしょうか?
同じく日経産業新聞の1月21日付新製品面に、「カップめん シニアに食い込め」という記事が。
最近の加工食品には、男性シニア(50才代~60才代)をターゲットとした商品が注目されているようです。
加工食品の市場規模が縮小していることに従い、未開拓の男性シニア世代を狙っているとのことなのですが…。
ここで紹介されていたのは、
一杯飲んだ後〆に食べるイメージという「明星麺’s 倶楽部 R50 淡麗しょうゆ」(明星食品)、
花や果実の香りに松や杉でアクセントをつけたという「香る吐息<AIR MINT>」(ロッテ)、
和のイメージでシニアにアピールする「ガリガリ君リッチあずき大福」(赤城乳業)、
高麗人蔘やキノコなどの成分を加えた「アクティブブレンド十六茶」(アサヒ飲料)。
うーん、正直どの商品もピンときません。
ここでいうシニア層が、コンビニでこういう商品を買っているシーンそのものが想像できないです。
女性客に訴えるジュルジュル感のように、「おやじ層」を狙うならさらなる改良が必要そうです。
惣菜シフトで加工食品市場がしぼんでいると記事にも書かれていましたが、私も上のような商品よりは
惣菜のほうに手が伸びると思います。
果たして、成功する男性シニア向け商品にはどんなオノマトペがつくだろう。
でもその試行錯誤のコストはどこが負担するのだろう?
やっぱり、商品価格に跳ね返ってくるのかな…なんて、いろいろ考えさせられました。
– スターバックスフラペチーノキャラメルクリーム&コーヒージェリー
– 明星麺’s倶楽部淡麗しょうゆ
– 香る吐息
– ガリガリ君リッチあずき大福
– アクティブブレンド十六茶
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