書店である小説を買いました。
「甘い罠」という本です。といっても、フランス映画の話でも、ケータイゲームの話でもありません。
この小説には、こんな奇妙な副題がついています。「小説 糖質制限食」。
さて、これ、どんな本だと思いますか?
作者の鏑木連という人を私はこの本で初めて知ったのですが、
帯には、江戸川乱歩賞受賞者が描く食のミステリーというようなことが書いてあり、ふと気になって手にとってみたのです。
実際に読んでみると、目の付け所がなんだかアグリキュレーター!
私がここ1年で紹介してきたような話が色々と出てきて、
それが推理小説になってるという斬新さで、ぐいぐい読んでしまいました。
あまり中身についてはなしてしまうと、ミステリーなので面白くなくなってしまうのですが、
支障のない範囲で紹介するなら、人類は何を食べてきたのかという問いと、
農業の歴史、そして現代病である糖尿食と食生活の問題なんかが出てきます。
アマゾンにあるレビューもかいつまんで紹介します。
主人公は、大手スーパーチェーンから和食レストランのメニュー監修を依頼された美人料理研究家。
彼女は糖尿病の糖質制限食から、糖質中心の和食に疑問を抱くようになるのだが…
さて、ここから何がどうミステリーに発展するのか?
それは本を読んでご自身で知っていただきたいと思います。
といいつつ、私もアグリキュレーターとして感じたことを書かねばなりません。
ここから先はネタばれになるので、嫌な方は読まないでください。
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食に関して、実にいろいろな情報が出てくるのですが、私にとって最も興味深かったのは、
特に先進国において、糖尿病対策としての低炭水化物療法(糖質制限食)では、
農耕が始まる以前の狩猟時代の食生活、つまり肉食中心への食生活へのシフト求められているという部分でした。
穀物は摂らないほうがいいというのです。
日本では、伝統的なコメ文化が糖質のとりすぎを招き、それが糖尿病につながっていると。
一般的には、肉を控えめにしたほうが健康によさそうに思われてますよね。
たとえば日本発祥の健康法であるマクロビオティクスなんかは、完全に炭水化物中心食です。
しかし、それが逆に現代病を招いているというのは、新しい発見でした。
食文化と現代病とのせめぎあい。
こういう見方もあるんですね!
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