2月25日に掲載された、日経産業新聞の記事。
商品開発のヒントになりそうな、AGFのスティックコーヒー戦略の話です。
マキシム、ブレンディなどのコーヒーブランドを従えるAGF(味の素ゼネラルフーズ)。
現在スティックコーヒーの分野で6割強のシェアを持つそうです。
さすがにそれだけの人気を誇るだけあって、AGFの商標である「スティックコーヒー」が、
その商品分野の名前になってしまったとのこと。バンドエイドみたいな感じですね。
そんな圧倒的強さを誇るAGFが狙うのは、「家庭内ドリンクバー」。
スティック状であることの強みを生かして、お茶の間に浸透させる戦略です。
この発想、コンシューマー向け商品(一般消費財)を開発する上で今後重要になってくると思います。
工場や社会インフラ分野にしかない製品が、一般消費者向けに生産開発されるということです。
かつて松下幸之助は、工場にしかなかった大きなモーターを見て、
いずれはこれが家庭に入るようになると予言し、製品開発に活かしたという話を聞いたことがあります。
その予言どおり、古くは自動車、今ではパソコンや発電システムなどとして、一般家庭に根付いています。
これからは商品を企画するときに、「工場やお店にはあるけれど、家庭にはないもの」という視点で見ると、
次なる製品を開発するヒントが隠れているかもしれません。
AGFは、「ドリンクバーを家庭に」を実現するためにどんな商品を作るかという発想で製品開発をしたんだと思います。
その答えが、一杯ずつ小分けされたスティック型飲料で、今のところその戦略は大成功ですね。
ドリンクバーというからには、日本茶や紅茶やジュースなど、今までスティックとは無縁だった飲み物が
今後スティック化されていくということでしょうか?
ファミレスとコラボレーションして売れ筋をセット売りしたりするんでしょうか?
「ガストセット」とか「ジョナサンセット」なんて風に売るんです。
これなら、贈答用の市場もありそうです。
すでにこの戦略は動き始めていて、
3月31日まで限定で「Stickドリンクバーキャンペーン」なるイベントも催されています。
(何がドリンクバーなのかは、このサイトからはちょっと分かりづらいのですが)
さてこの戦略、一般家庭に受け入れられるでしょうか?
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