3月中盤の新聞各紙に、京王電鉄が植物工場経営に乗り出すとの記事が掲載されました。
八王子市にある京王狭間駅前に「京王栽培研究所」という植物工場を建設し、
それが4月1日から稼働だそうです。もうすぐですね。
といっても、稼働してから栽培技術の研究と販路の開拓が始まるようで、
すでに出来上がっていてこれから本格稼働というのとは違うようです。
記事によると、4月1日に稼働した工場で、まず高付加価値の野菜や果物の研究開発、販路の拡大を進め、
2年後を目指して本格的に事業に乗り出すとのこと。
昭和電工との共同研究で、LEDで育てる人工光利用型と、太陽光を使った2タイプを使い、
LEDタイプは6月中旬からレタスなどの葉物野菜の栽培を、
太陽光タイプで7月中旬からトマトやいちごの栽培を開始するとのこと。
特に人工光利用型は、LED開発に昭和電工と山口大学農学部が共同開発した「Shigyo法」という独自技術を使うところが特徴です。
これはLEDで植物育成に最適な比率の赤色光と青色光を照射して野菜を高速栽培する方法で、
従来と比べ収穫量を増加させることができる可能性があるそうです。
これらの事業は社内公募で集まった274件の事業プランから選ばれたものだそうです。
高齢化や人口減少にともなって新規事業創出を迫られた鉄道会社の起死回生策が
「農業ビジネス参入」だったということです。
体感としては今までも十分感じていましたが、やはり農業ビジネスは今が旬なのですね。
すでに近畿日本鉄道や阪神電鉄も植物工場の建設に乗り出しているそうで、
鉄道会社と農業ビジネスの不思議な関係はさらに深まりそうです。
やはり、沿線で経営しているスーパーでの売り出しが肝なのでしょうか?
「野菜専用車両」を作って、流通のコストを省くのでしょうか?色々と考えてしまいます。
ちなみに同時期、八王子駅ビルの屋上に貸し農園をオープンさせるという話題もありました。
こちらはJR東日本の貸し農園として知られている農園の5店舗目だそうで、
橋本や立川にどんどん顧客を奪われてて、寂しくなっていく八王子の巻き返しでしょうか?
小田急線の成城駅にも貸し農園事業がすでにありますが、
鉄道会社の農業ビジネス参入の動き、これからも要チェックです!
– 産経新聞3月12日付け「京王電鉄が農業ビジネス参入へ 八王子に野菜工場作り2年で企業化判断」
– 日刊工業新聞3月15日付け「京王電鉄、農業ビジネス参入へー狭間駅前に植物工場」
– 京王電鉄ニュースリリース 3月12日(PDF)
– 八王子経済新聞3月17日付け「セレオ八王子、屋上にフットサルコートや貸し農園ー今春オープンへ
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